ケース4:心遣い

 

fd4

 

前略

 

 あなた様のお書きになった文章を拝見させていただきました。あなた様が「女性のおしっこにまつわる面白い話」を集めておられることをお伺いし、私の経験が今後のご執筆の参考になればと思い、筆を執った次第です。

 

 私は生まれてから二十五歳になる今日まで北陸のH市に住んでおります。H市は小さな城下町ですが、一応H県の県庁所在地です。こちらで私は、エアロビクスのインストラクターをやっております。

 二年前、私はミスH市に選ばれました。私の勤めるフィットネスクラブのオーナーが、クラブの宣伝になると思ったのでしょうか、私に内緒でミスコンに応募をして、自分でも遊びのつもりで審査を受けたところ、本当にミスに選ばれてしまったというわけです。高校生のときは体操部で、その後もエアロビを続けておりましたので、正直申しまして、体型には自信がありました。と言っても、応募者は十七、八人、その中からミスが一人、準ミスが二人選ばれるのですから、ずいぶん低レベルのミスコンなのです。

 田舎の町ですから、ミスH市と言っても、それほど仕事はありません。ちょうど地元出身のお相撲さんが優勝したので、その後のお国入りのとき、着物姿で花束を渡す役目が回って来るくらいでしょうか。また、地元のショッピングセンターのオープン式典でテープカットをするとか、そんなつまらない仕事が一ヶ月に一度あるかないかという程度でした。

 H市では毎年、五月に「五十万石祭り」と言うお祭りがあります。歴史のあるお祭りではなく、十年くらい前に、地元の商工会議所と商店街が始めたものです。パレードがあるのですが、地元出身の、他の地方では誰も知らないような男優と女優が昔の殿様と奥方に扮して参加するとか、小学生の鼓笛隊、消防団の梯子乗り、高校生のブラスバンド、女子校生のバトントワリング、そんなつまらない出し物ばかりです。その中に、お恥ずかしい話ですが、「ミスH市と、ミス着物のオープンカーパレード」と言うのがありました。何のことはありません、私と、ミス着物に選ばれたアイ子ちゃんが、オープンカーの後ろの一段高い席に座って、笑顔で手を振るだけなのですが。

 お祭りの当日、私はパレード参加者の集合場所として案内された商工会議所に行きました。その日は雨こそふりませんでしたが、曇り空のどんよりとした天気でした。ミス着物のアイ子ちゃんが振袖を着てくるので、私はそれとかちあわないように、洋装をするようにと主催者からの指示がありました。それで、私は白い襟のついた水色のスーツ姿でした。

「女子控え室」と書かれた部屋の前に受付があり、私はそこで自分の名前を告げ、名前の書かれた大きな封筒をもらいました。中へ入るとそこは商工会議所の講堂で、更衣室も兼ねているので、ブラスバンドやバトントワラーの女子高生たちが着替えの真最中でした。部屋の隅にある机に行き、封筒を開けると、中から「ミスH市」と書いた選挙の候補者がするようなおおきなタスキ、胸に着けるリボン、白い手袋が出てきました。まだおおきな分厚い物が入っています。引っ張り出すと、何とそれは「成人用の紙おむつ」だったのです。私はそれを見て、私を驚かすための悪い冗談ではないかと思いました。

 そのとき、ミス着物のアイ子ちゃんが私を見つけてやってきました。アイ子ちゃんは私より二つ年下です。 顔や体型、全てが大造りの私に比べて、おちょぼ口で、お人形さんのような、うぶな可愛い子なのです。H市は友禅染で有名な町です。アイ子ちゃんはピンクを基調に細かい花柄をあしらった振袖を着ていました。おそらく、地元の友禅染組合からプレゼントされたものなのでしょう。彼女も手に封筒を持っていましたが、まだ中を開けていないようでした。

 そのとき、講堂の壇上に一人の紺色のスーツを着た細身の四十歳ぐらいの女性が現れ、マイクで話を始めました。お祭りの主催者である商工会議所の方でした。その方は、ハンドバッグや貴重品は例の名前の書いた封筒に入れて受け付けに渡すこと、パレードは十一時からであるが、十時半までに、出発点であるお城の門の内側に集まり、待機するように、等の注意事項を、私たち参加者に説明されました。そして、その方が話の最後に言われたことで、私の謎が解けたのでした。

「本日私どもがご用意させていただき、封筒入れさせていただいたものを見て、きっと驚かれたことと思います。皆様にはこれから四時間余り、外で頑張っていただかなくてはなりません。しかも今日は肌寒いお天気です。ご用意させていただいたものを身に着けていただきますと、幾分でも安心してパレードに参加していただけるのではないかと思います。もちろん強制はいたしません。皆様がこれから大勢の見物人の方の目に長時間さらされることになるということを、よくお考えいただき、ご自身の安心のためにも、保険だと思って、身に着けていただきますようお願いいたします。もちろん、」

その方は、そこで一瞬言葉を止められました。

「私も、既に身に着けております。」

この一言で、女子高生の間に笑いが起こりました。

 私は少し迷った末に、主催者の指示に従うことにしました。部屋の隅に行き、壁を背にして立った後、スカートの中に両手を入れてストッキングと下着を下ろし、「例のもの」をつけ、その上にまた下着とストッキングを引き上げました。幸い、タイトスカートではなく、プリーツスカートだったので、それをつけたことによる余分なお尻のふくらみは目立たないようでした。

 私はアイ子ちゃんに、彼女はどうするのか尋ねました。

「私もつける。」

と彼女は即座に言いました。

「手伝ってあげようか。」

と私が言うと彼女はうなずきました。私はしゃがんで、彼女の着物の裾を太股の辺りまで持ち上げました。そして、彼女にその裾を両手で持っているように言いました。彼女は、裾よけの下に、とても小さな白いビキニの下着をつけていました。

「可愛いのを履いているわね。」

と私が言うと、アイ子ちゃんは恥ずかしそうに、

「トイレに行ったとき、下ろしやすいでしょう。」

と言いました。彼女の下着を下げると、ほんの数十本かと思われる、ほとんど真っ直ぐな毛が見えました。それは筆の穂先のように下に向かって生えていました。私のあそこの毛の十分の一か、もっと少ないようにも思われました。接着テープで例のものをつけ、彼女の可愛いお尻は、白い大きなカバーに包まれました。

「これ、どうする?」

私は、アイコちゃんに膝のあたりにある白い下着を指差して言いました。

「脱ぐ。」

と彼女が言ったので、私はそれを下げて足首から抜いて彼女に渡しました。彼女はそれを、何故か封筒に入れました。着物の裾を元に戻したとき、アイコちゃんは自分お尻の辺りを見て

「おかしくない?」

と私に聞きました。ちょっとお尻が膨らんだかなと思いましたが、外から見る分には全然目立たないと彼女には答えました。

 県立高校のブラスバンドの子たちも、それをつけることにしたようでした。肩と胸に金のモールのついた赤いミニのワンピースを着た彼女たちは、その下に履いているアンダースコートを下げて、紙おむつをつけていました。しかし、彼女たちは、何と下着の上からつけているのです。友達の前で、下着を下ろすことによっぽど抵抗があったのでしょうね。そして、

「このことは絶対に秘密よ。」

とお互いに言い合っていました。

女子高のバトントワラーの子たちは、どう見ても無理のようでした。体にぴったりした結構ハイレグの緑色のレオタードを着ていましたので。もしそれを着けたら、はみ出してしまうし、外からみて誰の目からも、恥ずかしいものを見につけていることが分かってしまいますから。 

その後、私たちは歩いてお城まで行き、そこで一時間くらい出番を待った後、オープンカーに乗りました。二時間ほどかかって旧市街を一周する間、私とアイ子ちゃんはずっと笑顔を振りまき、手を振り続けていたので、パレードが終わる頃には、すっかり、ほっぺたの筋肉と、手が疲れてしまいました。

 実際、主催者側の用意してくれたものは役に立ちました。お小水をあまり貯めすぎてから一度に出すと溢れるような気がしたので、少ししたくなった時点で、スカートのひだを直すような素振りで立ち上がり、そのたびに少しずつ中に出しました。一瞬熱い感じがしますが、あっという間に染み込んで、不快感は全くありません。また、主催者の方がおっしゃっていたように、これを身に着けていることでの安心感も大きかったと思います。

 パレードがまたお城に戻り、私たちは車から降り、歩いて商工会議所へと向かいました。アイ子ちゃんに、

「あれ、役に立った?」

と聞くと、

「私もともとおしっこが近いの。もうジュクジュクで気持ちが悪い。」

と言いました。

 商工会議所のビルに行く道の中ほど、バトントワリングの女子高生が三人前を歩いていました。真ん中の子は前かがみになり、白いポンポンを持った両手を自分の太股の間に差し込み、内股で歩いています。両側のふたりが彼女を支えるようにして、

「もうちょっとだから。」

「頑張って。」

などと彼女を励ましていました。私たちが横を通り過ぎようとしたとき、真ん中の子が、

「もうだめ。」

と言ってそこに立ち止まりました。彼女がポンポンを足の間から外し、それを顔にあてがって顔を隠したとたん、緑のレオタードの股のところが見る間に濃く染まり、まもなく、お尻から水滴がこぼれ始めました。もし、例のものがなかったら、私もこの子と同じ運命をたどっていたかもしれないと思うと、主催者の配慮に思わず感謝せざるを得ませんでした。

 商工会議所の控え室に戻ると、ふたのついたおおきなプラスチックのゴミ箱が部屋の真ん中においてありました。用意のいいことです。使い終わったものをこの中に捨てろということなのでしょう。よく見ると、隣の小さなテーブルの上には、お絞りが山になっています。これでその後手を拭くのでしょう。

 私は部屋の隅で、例のものをはずすと、ゴミ箱に捨てました。結構な量を放出したつもりなのに、濡れているという感じはほとんどありませんでした。最近のものは、本当に吸水性が良いのですね。

 アイ子ちゃんに、

「また手伝ってあげようか。」

と聞くと、

「うん。」

と言う返事。つけたときと同じように着物の裾を持っていてもらって、前の接着テープを外しました。彼女のものは相当水を含んでずっしりしていました。その重さにびっくりして、思わず眺めると、内側はすっかり黄色くなっていました。彼女の毛は濡れていて、その奥からかすかに湯気が立っているのが見えました。

「まだそのままにしていて。」

私は濡れたものをゴミ箱に捨てに行き、代わりにお絞りを取ってきました。そして、アイ子ちゃんにしばらくそのままにしているように言い、彼女のお尻や、前を、お母さんが赤ちゃんに対してやるように、優しく拭いてあげました。 

 

 いかがでしたでしょうか。つまらない話で申し訳ありません。何かあなた様のご参考になるようなことがありましたら幸いです。私はその時「成人用の紙おむつ」に助けられ、便利なものだと思ったのですが、どうしても抵抗があって、その後は身に着ける機会がありません。でも、何十年か経って、おばあさんになったときに、またお世話になるかもしれませんね。

 では、あなた様にはご自愛いただき、益々ご活躍されることをお祈りいたしております。

草々

 

 

<<戻る>>